2019.03.15
着物乃塩田 美術工芸 啓展
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着物乃塩田
美術工芸 啓展
3月15日(金)~3月17日(日)
12:00~20:00(最終日17:00)
着物乃塩田発行の季刊誌『なごみ通信』でも
次号にてご紹介予定の京都「美術工芸 啓」
新作帯のお披露目会を開催いたします
■美術工芸 啓さんのこと
端正で潔く、華やかさと慎ましさを併せ持つ逸品。
ありきたりな形容詞では表現しきれない「美術工芸 啓」の帯は
西陣にあるちいさな機屋さんの織機一台から生まれています。
織元の吉野啓二さんの帯作りは二十一歳の時、西陣の由緒ある
織元での修行から始まりました。
かつては花鳥風月を筆頭に古典文様からの柄取りが良しとされ
ファッション性が希薄だった呉服の世界。
吉野さんはずっと自問自答を続けてきました。
特別な衣装としてではなく、生活様式の中で洋服とリンクするような、
着物や帯であるべきでは...と。
果たして「美術工芸 啓」の「熨斗目」柄の帯が誕生します。
「己」を持ちながらも美しくしなやかに生きる日本の女性たち。
洋装や生活様式からかけ離れず、なおかつ日本人の礼節を重んじる
心と融和するデザインとして甲冑・熨斗目柄が選ばれました。
素材へのこだわり、探し求めた「生引の糸」との出会い。
熱処理を加えずに紡ぐ「生引の糸」。
たんぱく質を傷めないことで絹糸本来の光沢と強度が保たれ、
細胞を壊さないため染色した時の発色は格段に美しいといいます。
濁りなく染め上げられた色糸の配列は鼓動のリズムが整うかのように
美しく、その配列に光を添えるように箔の糸が艶めきます。
手間を惜しまず、裏に糸が渡らない織り分けをすることで
良質な品物の証である「軽さ」を追求。
見えない部分への細やかなこだわりと配慮は類を見ないほどです。
汚れを見逃さないよう白木の糸巻を使うこと。
そして糸繰りも節が出ないよう、完成度の高い糸に整えます。
これほどの愛情と手間暇をかけて生まれる品物がそれを見る人の、
纏う人の心に響かないはずがありません。
目の前に並んだ帯が凛々しく、そして清らかな「調和」という光を
放つのは吉野さんの「美しきモノ」への真摯な想い、「伝統への礼意」と
「未来への創意」が共に宿っているからに違いありません。
■主催
着物乃塩田
http://shiota-shouten.co.jp/
山梨の南アルプス連山のふもとにて
創業は昭和二十二年。
七〇年という時間の重みを胸に刻み
折に触れて感じる人の美しさや、
世のあたたかさ。
日本人が色に乗せてきた想いを
着物を通してお伝えしてまいります。